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2022.03.28

【研究紹介】毎年度繰り返し学習することが児童生徒の運動技能を向上させる!

皆さんこんにちは!

本日は、健康スポーツ学科の針谷先生が行っている研究についてご紹介させていただきます!
針谷先生は体育科教育を専門とされていて、将来教員免許を取得したい皆さんや体育の授業をより良いものにしたいという学生・卒業生・現役教員の皆さんは必見です!


小学校や中・高等学校の体育の授業では「鉄棒運動」の学習があります。

鉄棒運動は、回転、支持、懸垂など日常的に行わない様々な動きに取り組んだり、新しい技に挑戦したりして、技を身に付けたときに楽しさや喜びを味わうことのできるという点で学習効果の高い運動です。
 
しかしながら、鉄棒運動は「できる」「できない」という評価がはっきりと現れるため、技ができるようにならない子供にとっては苦手意識を持ちやすい運動ともいえます
このため、小学校低学年の体が身軽な時期から、鉄棒運動の学習へのつまずきを軽減させ、達成感を味わいながら学習を進められるような授業をすることが重要です。
 

 
そこで、今回の研究では、小学校体育授業において鉄棒運動の単元を第1学年から第3学年まで毎年度実施し運動技能水準の低い児童の技能に関する成果及び学習行動の実態について検討しました。
 
 

その結果、大きく2つのことがわかりました。
1つは、運動技能水準が低い児童は3年間毎年度学習することで、低学年の技能を習得できるということです。
もう1つは、ある定められた学習順序が必ずしも全ての児童に有効なわけではなく、動きを覚える順番は児童によってそれぞれ違うということです。
 


 

この結果から、

・運動技能水準が低く、運動が苦手な児童の学習成果を保障するためには、23年間毎年度繰り返し学習することが大切である。

・動きを習得する順番が児童によって異なるといった結果から、学習順序を固定して行うのではなく、様々な技に挑戦させることが重要であり、習得した技が他の技の習得に関係していく可能性があることを踏まえて指導することが重要である。

ということが示唆されました。
 
 
針谷先生のコメント

鉄棒運動の授業を見ていると、「あと少しでできそうなのに…」というところで学習が終わってしまう場面をよく見かけます。
よりたくさんの児童が「出来た!」を味わうためには、繰り返しの学習が大切なのだと研究を通して感じています。

今後もより多くの児童が「出来た!」に出会えるように研究を進めていきたいです。


研究成果について

鉄棒運動における運動技能水準下位児の学習成果に関する事例的研究:毎年度の単元設定を3年間実施して

針谷 美智子,近藤 智靖

体育学研究 2021年 66 巻 p.853-868

以下よりアクセス可能です
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/66/0/66_21005/_article/-char/ja/

 


児童の技の学習過程に着目した大変面白い研究です!

現場の先生方や将来教員・指導者を目指している皆さんは、ぜひこのような研究成果も参考にして、
児童生徒にいい学習をしてもらえるための一助にしていただければ、現場-研究のいいサイクルが出来上がっていくかもしれませんね!


健康スポーツ学科

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