「健康スポーツ学科 授業紹介week!!」最終回の3回目は「競技スポーツの心理学」の紹介です。
みなさんは、「こころ」についてどれだけのことを知っていますか?
健康や運動、あるいはスポーツには「こころ」がどのように関係しているか、考えたことはありますか?
心理学とは、様々な事柄を「こころ」の視点から理解を深めていく学問です。
みなさんに馴染み深い競技スポーツの場面でも、「こころ」がパフォーマンスを左右することがあるでしょう。
必要以上に緊張したり、力んだりしてしまえば、より良いパフォーマンスを発揮することは難しくなるかもしれません。
おそらく、競技をしている多くの人が、このような体験をしたことがあるのではないでしょうか。
では、より良いパフォーマンスを発揮するために、「こころ」の面からどのようなアプローチができるのか?
みなさん、知りたくありませんか?
もちろん、「そもそもこころを鍛えることなんて、できるのか?」といった問いを立てて、その謎を解明するのもいいでしょう。
この講義では、アスリートが直面する様々な出来事に対して、「こころ」の側面から積極的にアプローチし、競技力向上、パフォーマンスの発揮に向けた効果的かつ効率的な方法とその理論を学ぶことができます。
この日の講義では、ジャグリングを運動課題として、その実践的な理論と方法を学びました。
さて、みなさんは、「イメージ技法」や「リラクセーション技法」という言葉をどこかで耳にしたことがあるでしょうか。
スポーツ選手がプレイ前やプレイ中、頭の中で自分の動きを確認したり、深呼吸をしたりしていますね。
いわゆる「メンタルトレーニング」に含まれるものだと考えてください。
この日の(本当の)授業のテーマは、ジャグリングそれ自体ではなく、「系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)」を学ぶこと。
ちょっと難しい言葉ですが、イメージとリラックスを組み合わせながら、苦手な状況を克服していくための心理学の一技法です。
これをスポーツの苦手場面克服に応用するための講義(実技)です。
この日のジャグリング課題は、3つのボールを操る「3ボールカスケード連続技」を落ち着いて行えるようにすること。
最初は見本をみせて自由に練習してもらいますが、まったく上手くできず、身体に力が入り、バタバタと動き回り、次第に学生はイライラして、疲労していきます。
そこで本日のテーマ、「系統的脱感作」の登場です!!
この技法の理論と流れを説明した上で、リラックスして落ち着いて取り組める簡単なジャグリング動作から、目標とする3ボールカスケード連続技まで、階層表と言われるいくつかのステップを定めていきます。
第1段階は2つのボールを交差させるところからのスタートです。
この最もやさしい課題で、イメージ+リラックスを何度か繰り返し行ってもらいます。
頭の中で、課題とする動作を鮮明に描きながら、同時に息を吐いて心身を整え、無駄な力みを解消し,落ち着いた心身の状態を作り出していきます。
次に、今イメージした2ボールのジャグリング課題を実際にやってみます。
イメージ中に体験した心身の感覚を大事にしながら、実際のジャグリング動作を落ち着いて試していきます。
このイメージ+リラックス、次に実践練習というサイクルを繰り返して徐々に段階(難易度)を上げていき、最終的には3ボールカスケードの連続技に到達するわけです。
授業開始の段階ではバタバタと騒がしく練習していた学生たちですが、系統的脱感作の手続きで練習を進めていくと、試技の前に一呼吸おいたり、間(ま)を上手く作ったりしながら黙々と練習し、教室の雰囲気が最初とはかなり異なります。
なにより他者の目線を気にすることなく、自分の課題に集中できている。
落ち着いていて、みなさん上手です。さすがですね。
どうしたら不安や苦手意識を強く感じるような場面で、腹を据え、自然体でプレイできるようになるのか?
決して簡単なプロセスではありませんが、学生たちには今回の学びと経験を、ぜひ今後の競技活動やスポーツ指導の中で活かしてほしいですね。
健康スポーツ学科には、さまざまな授業があります。
「健康」「スポーツ」「運動」「教育」に興味関心のある高校生は、ぜひ、新潟医療福祉大学健康スポーツ学科を進路選択の中に入れてみてください。
健康スポーツ学科に入学して、実際に授業を受ければ、「面白いな!!」「なるほど」「入って良かったな」といった気持ちを抱くはずです。
健康スポーツ学科
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健康スポーツ学科 ゼミ紹介
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