サルコペニアにおける骨格筋の変化の検討
―サルコペニア動物モデルにおける骨格筋の遺伝子発現の変化―
塙 晴雄
[背景]
サルコペニアとは、「加齢性筋肉減少症」ともいい、単に筋肉量の減少だけではなく、筋力と身体機能も低下した状態を示す。加齢による原発性サルコペニアの他にも、内科や整形外科疾患によるサルコペニアもあり、進行すると転倒や要介護状態、合併症の頻度、死亡のリスクなどが高まることが明らかになっている。
[目的]
内科疾患、整形外科疾患などによりサルコペニアをきたした骨格筋の変化(遺伝子発現の変化)を調べることである。
[方法]
重症心不全や関節炎モデルでもある自己免疫性心筋炎ラットを用いて、サルコペニアをきたす骨格筋(半膜様筋)の遺伝子発現(PGC1-α、マイオネクチン/エリスロフェロン、FNDC5)を定量的RT-PCRにて調べた。
[結果]
自己免疫性心筋炎ラットは体重減少、骨格筋の萎縮、平均最大短径の減少などサルコペニアを呈した。半膜様筋のPGC1-α、マイオネクチン/エリスロフェロン、FNDC5の遺伝子発現が有意に低下していた。
[総括]
骨格筋は運動によって最も影響をうける臓器であり、様々な内科疾患との関わりを調べることによって、運動療法の新たなバイオマーカーや新たな治療薬の開発につながる可能性があると考える。
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当日、多くの先生方が集まり、塙先生の研究発表を聞きました。
塙先生の発表の様子
そして発表後、市川浩先生(クリック)と佐藤大輔先生(クリック)から質問がありました。
市川浩先生
佐藤大輔先生
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