今年度、健康スポーツ学科に入学される223名の皆さん、入学おめでとうございます。健康スポーツ学科の教員一同、心から皆さんの入学を歓迎します。また、保護者の皆さまにおかれましても、ご子息、ご息女のご入学を心よりお祝い申し上げます。
本学は、2001年に開学して今年で19年目を迎えます。当初2学部5学科で開設した大学が、今は、6学部13学科となり、学生数も1,200名程度から、4,000名を超える規模に、発展してきました。
健康スポーツ学科も、設立当初は1学年60名定員でしたが、現在は200名を超えるまで成長してきました。これは、日本の社会が成熟し、経済発展だけではなく、少子高齢化の潮流の中で、豊かで充実した人生を、送ることができるような社会を支える、「保健・医療・福祉・スポーツ・健康」分野の人材を、社会が求めていることに基因します。
ここにいる皆さんは、これから四年間で、スポーツ、健康あるいは教育について学び、探求することで、卒業後は「プロフェッショナルとしての力」を、社会に還元していくことになります。スポーツ・健康・教育については、誰よりもよく理解しているという、「真のプロフェッショナル」を目指して、4年間学んでほしいと思います。
そのために、先生方は皆さんを最大限支えていきます。ここにいる先生方は、みんな国際的に活躍したり、国内トップクラスの研究者や、コーチの先生方です。四年間で先生方から多くのことを吸収して下さい。
…(中略)…健康スポーツ学科の先輩には、東京オリンピックを目指している選手がいます。また、教員やスポーツの指導者として、学校や地域で活躍している先輩、スポーツ科学を極めて研究者の道に進む先輩、スポーツを学ぶことを通して様々な経験を積み、一般企業で活躍している先輩がいます。このように先輩たちが努力して、わずか十数年で、すばらしい伝統を築きあげてきました。皆さんも今日から、その仲間に加わったわけですから、本学の健康スポーツ学科で学ぶことに「誇り」を持ち、4年間、充実した学生生活を送ってください。これからの4年間は、楽しいことだけではなく、苦しいこと、困難なこと、克服しなければいけないことも多くあると思います。しかし、決して逃げることなく、勇気を持って困難に挑んでいって下さい。それが皆さんのこれからの人生における、大きな糧となります。
みなさんが卒業するであろう4年後の社会は、ソーシャルネットワークがさらに人々の生活の社会基盤として拡充していくとともに、仮想空間と言われているバーチャルリアリティや、人工知能、いわゆるAIも加速度的に進化して、私たちの生活の中に入ってくることでしょう。もちろんこのような技術によって、生活が便利になることは良いことですが、一方で、使い方を誤ると、大変な社会になっていきます。仲間や集団とのつながりを断ち、仮想のコミュニティや、空間の中での希薄な人間関係の中でつながり、その数が増えれば安心して、少なければ不安になるという精神構造に変化してきます。…(中略)…ネット上で何百人、何千人とつながっていても不安になるだけであり、決して安心は得られません。逆に、自分の身近にいて、会ってコミュニケーションが取れる信頼できる仲間や集団があれば安心ができます。
スポーツは、集団が同じ空間で、共感しながら競い合ったり、助け合うという特徴を持っています。みなさんは、これからスポーツを個々の身体の構造や動きと言った客観的に捉える科学と、仲間や集団と同調、気遣いながら経験を重ねていくという、スポーツが持つ特有の共感能力を身につけていきます。そしてこの能力は、人工知能ではない、生身の人間だけが持つ大切な能力であり、ネット社会の現代だからこそ、必要な能力になります、そのため、この力を発揮すれば、国内のみならず、「世界で活躍する人材」になることができます。この4年間の大学生活で、是非、大きな力をつけて、社会に羽ばたいてほしい、と期待しています。
最後になりますが、皆さんが、「真のプロフェッショナル」となるためには、皆さん自身の身体の健康が第一です。まず、毎日の朝ご飯をしっかり食べる、規則正しい生活を送る、ということを心がけてください。そして、日々、スポーツや運動を必ず行なう習慣を身につけてください。皆さんに大いなる期待をして、お祝いの挨拶といたします。
健闘を祈ります。
平成31年4月5日 健康スポーツ学科 学科長 西原康行