先週から続いた各先生方ならびに大学院生の日本体育学会における発表の紹介も、今日で終わりになります。
最後は、修士課程2年の本間翔太郎君の発表を紹介します。
以下、本間君からの報告です。
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徳島大学常三島キャンパスにて開催された日本体育学会第69回大会において、体育経営管理領域においてポスター発表をさせていただきました。
初めての学会参加、ポスター発表をするということに緊張がありましたが、自分自身の実力不足や研究の楽しさを感じさせられる、とても有意義で濃い時間を過ごさせていただきました。
研究について説明する本間翔太郎君(修士課程2年)
今回の学会参加により得たものを最大限に活かし、今行っている研究を進めることで、社会にとって自分自身にとっても良い修士論文にしていきたいと思います。
今回発表した内容は、健康スポーツ学科で開催された7月の研究セミナーの内容と同じです。
発表内容は下記の通りです。
【タイトル】
VR技術によるバスケットボール指導者の状況認知
【目的】
本研究の目的はバスケットボールの熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることである。本研究の目的が達成されることによって、バスケットボール指導者の育成ならびに指導力向上へつながることが期待される。
【方法】
360度全方位録画可能なVRカメラにて撮影したVR映像を指導歴の違う3名の指導者に視聴してもらい、オンゴーイング(注1)で何を認知しているか語ってもらった。
それらの語りをもとに、バスケットボールを経験した3名の大学生でバスケットボール特有の7つの観点でカテゴライズ(分類)した。その観点は視覚状況、期待予測、過去の振り返り、賞賛、批判、指示的、支援的の7つである。
なお、カテゴライズの過程(語りの分類の過程)を文字起こしすることで(カテゴライズのオープン化によって)、研究の信頼性と妥当性を確保した。
【結果・考察】
研究の結果、熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴が明らかにされた。その1つとして、熟達指導者は選手のある1つのプレーだけではなく、時間幅を持ったプレーに対して賞賛を与えているが、一方で未熟達指導者はある1つのプレーだけに賞賛を与えることが明らかにされた(たとえば、熟達指導者はリバウンドから速攻に移った一連のプレーに対して賞賛するが、未熟達指導者はリバウンドに対してだけ賞賛を与えるということである)。
【結論】
熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることによって、未熟達指導者は熟達指導者の状況認知を学習することができると考えられる。すなわち、指導者養成ならびに指導力向上のための有用な知見になると考えられる。
注1)オンゴーイングとは、映像を視聴しながら、その時々に感じたこと、思ったことを言葉に発する方法である。
左:本間翔太郎君、右:学科長 西原康行先生(本間君の指導教官)
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前回紹介した石田君と同様に、本間君も、初めて学会で発表を行いました。
本間君の「実力不足や研究の楽しさを感じた」という感想は、意外と大切だったりします。
あれもできる、これもできる、またはあれも知っている、これも知っている、という姿勢では、何も得られないかもしれません。
自分自身の無知を自覚することによって、多くの人がいろんなことを教えてくれるかもしれません。
また、力不足と感じることによって、足りないものを補おうと努力するはずです。
とりわけ、「研究」では「探究心」が重要になります。
知っていることがあったとしても、「ここまでは知っているけれど、これ以上は知らない」といったように、「知らない」ことを自覚するから「知ろうとする(探究する)」のです。
言い換えれば、知っているのであれば研究はスタートしません。
子どもの頃に宝探しゲームをした人もいると思います。
そのゲームをしている時に、宝のありかを知っているのであればつまらないし、ゲームにもならないはずです。
宝のありかを知らないからこそゲームになるし、ワクワクもするし、ドキドキもするし、それを手に入れたいと思い、夢中になって探していたはずです。
そして、そのこと自体を心から楽しんでいたはずです。
研究も、宝探しゲームと同じだったりします。
「知りたい」という欲求がある人は、健康スポーツ学科の教員と共に「研究」という宝探しゲームを一緒にしませんか?
新潟医療福祉大学 大学院 健康スポーツ学分野
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html
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大学院生の一日
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健康スポーツ学科
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西原康行先生のプロフィール
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