2025.11.01
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今日は健康スポーツ学科の教員の研究について嬉しい報告です![]()
運動機能医科学研究所に所属する山代幸哉講師らが行った研究が
「体力科学」に掲載されることが決まりました
下記は、その研究概要となっています
山代講師は、これまで「ヒトの感覚情報処理」に関する研究を行ってきました。
タイトル「テーピングが痛覚関連体性感覚電位に及ぼす影響」
テーピングはスポーツ医学において怪我の予防、受傷部位の保護、
鎮痛などの目的で広く利用されています。
しかしながら、テーピングが痛み刺激によって生じる知覚に
影響を与えるかどうかについては明らかにされてきませんでした。
そこで、本研究はどのような機序でテーピングにより痛みが減るのか?を
明らかにするために実験を実施しました。
はじめてに痛み研究が遅れてきた原因として、
選択的に痛みを感じる受容器のみを刺激することが
非常に困難であったことがあげられます。
本研究で、われわれは選択的に痛みを誘発できる特殊な刺激装置を用いて、
痛みに関連する脳波を記録しました。
条件はcontrol条件、伸縮性テープ条件、非伸縮性テープ条件の3条件としました。
被験者は、control条件ではリクライニングチェアにリラックスした状態で
座りました。一方、伸縮性テープ条件ではテープに張力を加え前腕内側部に
テーピングを行い、非伸縮性テープ条件では
張力を伴わずにテーピングを行いました。
被験者は痛みの程度をVisual Analog Scale (VAS)を用いて各条件で評価した。
その結果、痛みに関連する脳波は伸縮性テープ条件および
非伸縮性テープ条件において、control条件に比べ有意に低下しました。
痛みの感じ方は、伸縮性テープ条件においてその他の条件と比較して
有意に最も低くなりました。
さらに、痛みに関連する脳波(N2-P2)と痛みの感じ方(VAS)の間には
有意な正の相関を認めました。
本研究により、痛み誘発部位へのテーピングにより痛みに関連する
脳波と痛みの知覚が減弱することが明らかになりました。
この鎮痛の作用機序は、痛み刺激から何か他のものに注意をそむける
distraction効果と考えられる。
また、痛み知覚が伸縮性テープ条件で最も低くなった要因として、
伸縮性テープをテンションを伴い貼付することにより生じる
多くの感覚入力が、より効果的に痛みの知覚を減らしていることが示唆されました。
このように、最新の研究を意欲的に行っている教員が多数います
大学という場で一緒に学びを深めていきましょう