巻渕泰輝(新潟医療福祉大学大学院・健康スポーツ学分野・修士課程2年)さん、山代幸哉准教授らの研究グループの論文が6月5日付で、国際誌Brain Sciencesに掲載されました!
おめでとうございます!
【題目】Assessing the Effects of the Topical Application of L-Menthol on Pain-Related Somatosensory-Evoked Potentials Using Intra-Epidermal Stimulation
(表皮内電気刺激を用いた痛み関連誘発電位に対するL-mentholの局所塗布による効果)
【内容】
本研究では、一部の鎮痛薬に含まれるL-menthol(冷却感をもたらすミントの成分)によるTRPM8の活性化が、Aδ線維を選択的に活性化する表皮内電気刺激によって誘発される痛み関連誘発電位にどのような影響を与えるかを検討しました。10%濃度のメントール溶液塗布の前後比較の結果、主観的な痛み強度に変化は見られなかったが、痛み関連誘発電位の複合振幅を減弱させることが明らかになりました。このことは、L-menthol溶液塗布によるTRPM8の活性化は、痛みに関与する神経活動を減弱させる効果があり、表皮内電気刺激に対しての主観的な痛み強度は変化させないことが示されました。
本研究成果は、痛みや鎮痛における神経メカニズムの解明につながると考えらえます。今後の研究では、痛みの認知的な要素を聴取することや濃度依存的な変化を調べることによって、TRPM8活性化による鎮痛効果について検討していきたいと考えています。